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若狭の局 2代将軍頼家の側室

『星月夜の鬼子母神』 篠 綾子

またも「鎌倉殿の13人」繋がり

鎌倉殿では、佐藤二朗氏の怪演?すさまじかった

比企能員の娘であり

2代将軍頼家の側室となった「せつ」は

りりしくて、愛にあふれた女性として

描かれていました。

 

本作での名前は早苗、のちに若狭の局となっています。

このあたりの時代、特に女性の呼び名だったり

経歴だったりは史書と呼ばれるものでも

相違があることしばしば。

公暁や竹ノ御所も若狭の局所生説があるようです。

そもそも、源頼朝北条義時の死因でさえ、

これという証明がないくらいですから・・・

 

星月夜の鬼子母神 (集英社文庫(日本)) [ 篠 綾子 ]

価格:682円
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 源氏に関わった比企の女たちの悲運

源頼朝の乳母、比企の尼から連なる

一大豪族の比企一族の姫、早苗は

勝ち気なしっかり者。

 

頼家とは幼なじみの関係から

いずれ妻となり

長男、一幡を産みますが、

その勝ち気さゆえか

2代将軍となった頼家との関係は

遠ざかっていきます。

 

そして、いよいよ

早苗が幼い頃から見ていた

源氏と関わった比企一族の女たちの悲運が

若狭と、なにより大切な息子、一幡

襲いかかるのです。

 

女としての愛も

母としての愛も

人としての誇りも

権力に呑み込まれていったのは

思い出の星月夜でした。

 

集英社文庫 2021年初版

 

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