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竹ノ御所鞠子 2代将軍頼家の姫

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『竹ノ御所鞠子』 杉本 苑子

鎌倉殿の13人」には出てこなかった姫のお話。

悲劇の2代将軍(3代目も大悲劇ですけど)の忘れ形見、

蹴鞠が好きだった頼家が名付けたのか

姫の名は「鞠子

 

木曽義仲を祖父に持つ、美しく優しい姫は

どす黒い陰謀渦巻く鎌倉御所からは

竹の茂みで隔離された「竹ノ御所」で育つ。

 

2代将軍頼家の息子達が

一人二人と政略の闇に消えていく中、

姫ゆえに静かに慎ましく、

その生を全うしていけるものと

思われたのに・・・

 

竹ノ御所鞠子 (中公文庫 す3-31) [ 杉本 苑子 ]

価格:946円
(2022/11/19 13:03時点)
感想(0件)

「鎌倉殿の13人」でも話題の闇落ち執権、

北条義時

チャーミングな尼御台として描かれている

北条政子

本作中のこの二人はやはり悪役キャラで、

権力の毒牙はやがて竹ノ御所まで

忍びより、悲しい結末を迎えることになる。

 

源氏の征夷大将軍を頂点に

武家社会の礎を築いた鎌倉幕府。

朝廷と争い、利用した北条氏。

権力の大きな渦のなかに

小さな笹舟は飲み込まれ、

姫とともに源氏将軍家の血筋は

消えた。

 

後の戦国時代の姫達も

家の為に人質同様に嫁ぎ

跡継ぎ争いの中心に立たされ

悲運も幸運も権力の行方次第。

 

それでも「戦国の姫」としての矜持を胸に

戦っていた。

 

鞠子のように、

一時は世に忘れられたように捨て置かれ、

思い出したかのように表舞台に引っ張り出され、

それまでの愛しいものすべてを奪い去られては

生きる意味も見いだせまい。

 

「女」ゆえの悲哀が詰まった1冊。

中央文庫 1994年初版

 

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